音楽レク
みんなの音楽~「金色夜叉」のあらすじおさらい
歌のあらすじをおさらいしてから歌いましょう!
『金色夜叉(こんじきやしゃ)』は、明治30年にスタートした新聞連載小説でした。作者の尾崎紅葉(おざきこうよう)が35歳という若さで急逝(きゅうせい)したため未完ですが、昭和に入ってから映画やドラマ化され人気を博しました。歌う前にあらためて物語のあらすじをおさらいすると、歌への理解がいっそう深まります。
●『金色夜叉』のあらすじ
一高(いっこう)の学生、間貫一(はざまかんいち)にはお宮(みや)という許婚(いいなずけ)がいました。ところがお宮は富豪の富山(とみやま)に見初められて富山と婚約してしまうのです。
納得がいかない貫一は、最後に熱海の海岸でお宮の心変わりをなじります。お宮は、富山家の金で貫一を洋行(ようこう)させたいのだと言うのですが、激怒(げきど)した貫一は聞く耳を持ちません。あげくはお宮を蹴(け)り飛ばし、有名なセリフ『来年の今月今夜……』を吐いて行方をくらましてしまうのです。
その後、お宮を見返そうと高利貸(こうりが)しになる貫一。一方のお宮も幸せには暮らしておらず、というところで物語は終わってしまいます。
作者の創作メモには、「貫一は正義のために金を使い果たす」「お宮が富山に嫁いだのには意図があってのことだった」などと書かれていたそうです。未完で終わっているため解釈がいろいろとある謎の作品なのです。
ねらい
非常によく知られた歌や物語なので、みんなと一緒に歌うことで参加者同士の共有感を持ちやすく、一体感を感じることができます。
音楽療法士。主に高齢者・障がい児・高次脳機能障害の方などを対象に音楽療法を実践。20年の臨床経験をもとに後進の育成や講演なども実施。
音楽療法セラピスト養成講座
http://www.horitamt.com
イラスト/藤田ヒロコ