認知症の人を地域で支える
【3】認知症カフェの取り組み「オレンジカフェ」(埼玉県川越市)
開催のきっかけは家族の発したひと言
早期からさまざまな認知症支援策を進めている川越市では、2013年1月から、地域支援事業の一環としてのオレンジカフェを開催しています。「きっかけは、認知症家族介護者教室の座談会で、お茶やお菓子を出して家族同士が気軽に話しあえる場を設けたことです。するとご家族の一人から、『こういう場に本人も連れてきたい』という声が上がり、それを受け止めた地域包括支援センターが開催したのがはじまりです」(川越市高齢者いきがい課・吉川清吾さん)
2013年度は5つの圏域の地域包括支援センター(以下、地域包括)で開催し、参加者は1031人でした。それが翌年度には、9つの全地域包括によって開催され、参加者は3065人と約3倍となりました。
「今では、一般の社会福祉法人や住民団体も手を上げて、開催は市内24か所に広がっています。正直言って、この短い期間でここまで取り組みが広がるとは思いませんでした」と吉川さん。
【監修・執筆】介護福祉ジャーナリスト 田中 元(はじめ)
出版社勤務を経て、介護保険スタート前から高齢者介護の現場取材を続けている。常に当事者とその家族、現場従事者の視点を尊重しつつ、医療・介護専門誌への寄稿や書籍執筆のほか、講演やラジオでのコメントなどを行う。主な著書に『認知症ケアができる人材の育て方』(ぱる出版)、『改正介護保険早わかり』(自由国民社)などがある。
出版社勤務を経て、介護保険スタート前から高齢者介護の現場取材を続けている。常に当事者とその家族、現場従事者の視点を尊重しつつ、医療・介護専門誌への寄稿や書籍執筆のほか、講演やラジオでのコメントなどを行う。主な著書に『認知症ケアができる人材の育て方』(ぱる出版)、『改正介護保険早わかり』(自由国民社)などがある。