アクティビティで口腔ケア
口腔ケアで行いたい、リスクに合わせた個別対応
「口腔ケア」は、誤嚥(ごえん)を防ぎ、唾液(だえき)の分泌を促して自浄作用を高め、呼吸機能を改善するなど、全身の健康状態に関わる重要なケアであることは言うまでもありません。特に、咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ)・呼吸などの機能は個人差があります。筋力や麻痺(まひ)の程度も異なる人が一緒に行動する介護現場では、個々の現状を正確に把握し、リスクに合わせた個別対応が欠かせません。
そこで求められるのが、利用者に寄り添い、日常的にケアを行っている介護職の役割です。リスク別にポイントを押さえ、口腔状態をきちんと観察すれば適切な対応ができ、機能の維持・向上につながります。
一般的に口腔ケアにおける個別対応というと、食前の口腔体操や食後の口腔清掃を意味すると思われがちですが、口腔機能向上のためのアクティビティも重要です。
さまざまな状態の利用者が一緒に行うアクティビティでは、それぞれが抱える問題に配慮しながら、集団で楽しむための工夫が必要になってきます。「口の周りの筋力が低下している」「息を吐く力が弱い」といった利用者に対し、個別にサポートすることで、その人に合った効果のあるアクティビティとなるのです。ぜひ日々の活動に取り入れてみてください。
【監修】世田谷区立特別養護老人ホーム 芦花ホーム
歯科衛生士 渡辺三恵子
社会福祉法人世田谷区社会福祉事業団。1994年設立。利用者のニーズに応じた個別ケアサービスに力を入れている。口腔ケアにおいては、介護職・歯科衛生士による日頃の観察、ケアに加え、医師・歯科医師・看護師・管理栄養士・理学療法士と連携し、食形態や摂取方法、嚥下訓練等を利用者ごとにプランを立てて行っている。
文/松崎千佐登
イラスト/みやれいこ
歯科衛生士 渡辺三恵子
社会福祉法人世田谷区社会福祉事業団。1994年設立。利用者のニーズに応じた個別ケアサービスに力を入れている。口腔ケアにおいては、介護職・歯科衛生士による日頃の観察、ケアに加え、医師・歯科医師・看護師・管理栄養士・理学療法士と連携し、食形態や摂取方法、嚥下訓練等を利用者ごとにプランを立てて行っている。
文/松崎千佐登
イラスト/みやれいこ