高齢者医療の新しい概念
「老年症候群」を知ってケアに生かそう~身体的・精神的特徴
加齢につれて、高齢者にはさまざまな身体的・精神的な衰えが現れてきます。しかも、その現れ方は、原因と結果が一対一で対応するように単純ではなく、糸が絡み合ったように複雑なものです。これを「老年症候群」として包括的にとらえ理解することで、ケア対象者の生活を支える糸口が見つかってくるでしょう。
そうなれば、介護職の専門性がより発揮できることにもなるはずです。今回は、まだ新しい概念である「老年症候群」について知り、ケアへのつなぎ方を考えていきましょう。
老年性症候群につながる身体的・精神的特徴
・視力低下
・難聴
・膀胱萎縮(ぼうこういしゅく)、前立腺肥大、頻尿・残尿・尿失禁
・筋肉量が減る
・記銘力・活動意欲の低下、新しい環境への適応力の低下
・骨が脆(もろ)くなる
・皮膚感覚が鈍くなる
・関節の柔軟性・弾力性が失われ、可動域が減る
東京ミッドタウンクリニック シニア医療部 部長
トラストクリニック等々力 院長 大蔵 暢
1971年生まれ。富山医科薬科大学(現・富山大学)を卒業後、聖路加国際病院などを経て2001年に留学のため渡米。ワシントン大学で公衆衛生学を、ミシガン大学で老年医学・高齢者医療を学び、2009年に帰国。日本老年病専門医、米国内科・老年医学専門医。著書に『「老年症候群」の診察室─超高齢社会を生きる』(朝日新聞出版、2013年)がある。
イラスト/藤原ヒロコ
トラストクリニック等々力 院長 大蔵 暢
1971年生まれ。富山医科薬科大学(現・富山大学)を卒業後、聖路加国際病院などを経て2001年に留学のため渡米。ワシントン大学で公衆衛生学を、ミシガン大学で老年医学・高齢者医療を学び、2009年に帰国。日本老年病専門医、米国内科・老年医学専門医。著書に『「老年症候群」の診察室─超高齢社会を生きる』(朝日新聞出版、2013年)がある。
イラスト/藤原ヒロコ