介護職のためのストレスケア
「ストレスとは何か」を知ろう
ストレス反応を意識することから
さまざまな職種のなかでも、介護職はストレスを感じやすい仕事の1つといえます。しかし、程度の差はあれ、ストレスはどんな人、どんな職種にもあり、完全には避けることはできません。また、「なければいい」というものではなく、乗り越えることでストレスに強くなり(ストレス耐性)、困難に立ち向かうことで成長もできます。
このようにストレスを前向きにとらえ、活かすためにも、まずは「ストレスを感じるのは正常なこと」だと知っておきましょう。だからといって、ストレス度の高い状況で、「周りが頑張っているから自分も頑張らなければ」「自分だけ頑張れないのはダメ」などと思い込むのは危険です。
「これはストレスが原因では?」と早めに気づくことが、ストレスの影響を最小限にして前向きに活かす第一歩となります。
ストレス反応は「心」「体」「行動」に表れます。最近の自分を振り返ってみた時、下記のような変化はないでしょうか。当てはまるものにチェックを入れてください。
【心の変化】
□不安になる
□イライラしやすい
□気持ちが落ち込む
□やる気が出ない
□混乱する
□自信がないと感じる
【体の変化】
□疲れている
□眠れない
□朝早く目が覚める
□胃痛、吐きけがある
□食欲がない
□肩がこる
【行動の変化】
□遅刻が増えた
□欠勤が増えた
□仕事のミスが増えた
□仕事に集中できない
□飲酒、喫煙が増えた
□人と話すことを避ける
チェックが多ければストレス度は高い可能性が大! 本誌では、ストレス対処のポイントや職場でのサポートなどを詳しく紹介しています。
横浜市立大学医学部看護学科講師、精神看護専門看護師、保健師、精神保健福祉士、公認心理師。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会トレーニングプロフェッショナル。医療・介護職のメンタルヘルス、介護ストレス、虐待防止などに関する研修や情報発信を行う。著書に『イライラとうまく付き合う介護職になる!アンガーマネジメントのすすめ』など。
文/松崎千佐登
イラスト/尾代ゆうこ