第1回レクリエセミナーQ&A
その他「なぜぬり絵をするとよいのか」
【Q】なぜぬり絵をするとよいのか教えてください。
【A1】
ぬり絵の「色をぬる」という要素だけをとっても、手指機能の訓練、視覚、色彩感覚への刺激、注意力の喚起、想像力や記憶力のトレーニングなど、沢山の意義を挙げることができます。ぬり絵は、絵の内容把握、色の決定、出来た作品の鑑賞など、他にもいろいろな要素があり、その分だけ沢山の意義を挙げることができるはずです。
専門職である私たちが、参加者それぞれにとって、どのような効果を期待してぬり絵をやるのか、明確に答えられるかどうかが重要と考えます。
【A2】
「どこに何色をぬるのか」「どこからぬるか」といった作業手順を脳内で立てることになります。
例えばリンゴをぬろうとして過去の記憶や経験から「リンゴ=赤」という情報を想起することにもなります。ぬる事で集中することになる、半側空間無視の方には注意の範囲を広げて無視側にも注意を向けられるようになるかもしれません。絵柄が細かければ手指の巧緻性向上になります。廃用などで座位保持が取りにくい方だったら、ぬり絵を行うことで座位保持の確保になります。
このように様々な点に着目すればぬり絵にも様々な効果が期待できると思います。ぬり絵だけでなく、スタッフが何を目的にレクリエーションを提供しているのかを考える必要があります。