ヒヤリ・ハット&事故報告書
ヒヤリ・ハット報告書を書く4つの理由【4】
ヒヤリ・ハット事例や事故の報告書を書くことには、重要な意味があります。利用者、介護者、事業所のために必要であることを、ここでしっかりと確認しておきましょう。
家族とのトラブルを避けるため
日常生活における事故の可能性は、高齢になるほど高まります。また、介護を必要とし、認知症を有するとなれば、そのリスクはさらに高まります。これをゼロにするのは不可能であることを日ごろから家族に理解してもらう必要があります。報告書によって家族と事故の内容を共有し、信頼・協力関係を築いていきましょう。
介護において記録を書くことはMust!
ヒヤリ・ハット事例や事故の報告書に限らず、記録は大切な業務の一つです。記録は施設内の出来事や、その時の対応・ケアの事実を残すだけでなく、介護者同士の情報共有ツールになり、一人ひとりのケアの仕方の確認の機会になります。「記録を書く時間をケアの時間に当てたい」と思う介護者もいるかもしれませんが、それは間違いです。記録を書くことは必ずやらなければならない専門職としての「マスト(Must)」の仕事だと認識することが大切です。
監修/高橋好美
特別養護老人ホーム レジデンシャル常盤台施設長。看護職、メディカルソーシャルワーカーを経験した後、社会福祉士、介護支援専門員の資格を取得。大田区立特別養護老人ホームたまがわ特養第一課課長を経て、2009年より現職。
文/高野千春 イラスト/岡村奈穂美