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遠隔操作できる会話ロボット「テレノイド」。認知症にも効果
介護現場でも活用するコミュニケーション・ロボットの新展開として注目を集めるのが人型ロボット「テレノイド」です。その特徴は2つあります。
1つは、AI(人工知能)や自動応答ではなく、オペレーターが音声や動きを操作できるという点です。本体に装備されたマイクやカメラで相手の言葉や表情、動作などを確認。音声はスピーカーで発信され、遠隔操作でうなずいたり、首をかしげるなどの「人間らしい動作」も可能です。
外部オペレーターのほか、離れて暮らす家族がテレノイドを通じて、本人とコミュニケーションをとるなどのシーンも想定されます。また、介護職が操作することで「その人の気持ち」を理解するツールとなるほか、医療職が日々の問診や心理カウンセリングに活用するなどの使い方も考えられます。
もう1つの特徴は、その外見にあります。年齢・性別が不明な顔つきなのですが、これは「特定の誰かではないゆえに誰にでもなれる」というコンセプトに基づくもの。相手となるオペレーターが誰であっても、声と外見の違いによる違和感を生じさせず、向き合う人の想像力を引き出すことで、認知症の人の脳の活性化も期待できます。
開発者は大阪大学基礎工学部・石黒浩教授で、同氏が最高技術顧問を務める株式会社テレノイド計画が、研究用テレノイドの販売やレンタル、体験モニター募集(2016年12月に第二期が終了)などを手掛けています。ちなみに、昨年10月に東京都美術館で開催された「第43回MAF展」にて、服部学園のデザイナーによる専用衣装とともに出展、厚生労働大臣賞を受賞しました。