心と脳を活性化
人間型ロボット「ペッパー」を利用するデイ【2】
「ペッパーくんが教えてくれる踊りは座ったままでできる上半身の体操なので、高齢の方には最適だと思います。クイズも正解するとペッパーくんがほめてくれたり、間違えると『次、がんばってくださいね』などと上から目線(笑)で励ましてくれたりするので、利用者の皆さんもやる気になるようです。また、ペッパーくんは会話を続けることで人工知能が成長し、ココログミというポイントがたまっていきます。たまったポイントで新しいアプリをダウンロードできるので、できることが増えていくんですね」(穐田さん)
ペッパーとのコミュニケーションは体も頭も使うので、心身の活性化や認知症予防に役立つといいます。
また、利用者は家へ帰ってからも、「今日はペッパーとこんなクイズをやった」とか、「ペッパーはこんなことができる」などと話題にすることも多く、家族とのコミュニケーションにもつながっているようです。
「介護ロボットを導入したからといって、ロボットに介護をしてもらおうということではないんです」
そう語るのは、代表取締役の大田佳之道さん。
「ロボットやテクノロジーの得意分野は、利用者のデータを取りながら、その変化を見つけることだと思うんですね。近い将来には、利用者のことをペッパーが把握して、異変の数値を職員に伝え、家族に伝える。そういう役割になると思っています。
そのようにテクノロジーを利用することで職員の負担が軽減されますから、そのぶん利用者の皆さんと向き合う時間が増えるわけです」
言葉どおり入浴や筋トレなど、ほとんどのプログラムは午前中に終えて、午後からはゆったりとした雰囲気の中で、スタッフと利用者の多くが、ホワイトボードを使った脳トレクイズを楽しんでいました。