自立支援のためのレク
認知機能を高めるレクリエーションとは
回想やコミュニケーションで楽しみながら脳を活性化
脳トレといった認知機能を高めるゲームというと、クイズや計算など難しいイメージを持ってしまいがち。「難しくて自分にはできない」「間違えたら恥ずかしい」と敬遠する利用者も少なくありません。
今回ご紹介するゲームでは、歌をうたいながら体を動かしたり、季節に合ったお題を出したり、間違えても笑い合ったりできる、取り組んでもらいやすい工夫を取り入れています。
また日常生活でも重要な、二つ以上のことに同時に気を配る「同時処理」や、昔のことを思い出したり、連想したりといった「想起力」、お金の計算や判断といった「遂行機能」が楽しみながら向上します。 さらに、利用者同士のコミュニケーションもねらいのひとつです。チームで協力しながら取り組んだり、相談したりすることで、社会性の向上にもつながります。また笑い合える工夫があることで感情にも働きかけます。
一方で、競い合うゲームでは集中力を高めたり、高揚感を味わったりして認知機能を刺激します。
このように様々な視点で楽しく認知機能を高められる工夫を取り入れました。認知機能の向上は、生活行為や趣味などの意欲を高めるためにも重要です。自分でやりたいことができるようになれば自立支援にもつながっていくことでしょう。
ゲームレクを行うなかで生まれる交流を楽しみながら、利用者の興味やできることに合わせて取り組んでみてください。
医療法人中村会 介護老人保健施設あさひな 認知症介護レクリエーション実践研究会。介護現場での実践者として日本各地でレク研修を行っている。
監修/介護老人保健施設あさひな リハビリテーション科
イラスト/福井典子