インタビュー
「今日はごぼうやらないのか」という利用者さんの声ににんまり
介護現場のアイドル“カイドル”、ごぼう先生こと簗瀬 寛(やなせ・ひろし)さん。高齢者を笑顔にすることが一つの目標だというごぼう先生に、『レクリエ』で連載中の「だれでもいつでもきもちよく」できる「大吉体操」、発売中のDVD『R70ごぼう先生の健康体操』シリーズについて伺いました。
キャラクターが体を動かすきっかけに
高齢者の介護予防につながる健康体操の普及・指導を全国各地の施設で行うごぼう先生。体操をする際は、正しさを求めるのではなく、楽しくできることを大切にしているといいます。その楽しさに一役買っているのがDVD『R70ごぼう先生の健康体操』シリーズ。「DVDを毎日のように施設で使っていただいているとなると、直接会ったときに、テレビに映ってる人が目の前に来たって喜びになって」楽しい雰囲気がより作れるようになったそうです。
施設でDVDが使われることによるうれしい効果がもう一つ。それは、“ごぼう先生”という名前との相乗効果で、「みなさんに覚えてもらいたいために」つけたこの名が、「事業所内でよく聞こえるよ、って。“今日はごぼうないのか”とか“今日はごぼうやらないのか”とか。ごぼう=体操になっているんですよね。キャラクターが体を動かすきっかけになったんだと思うんです」。運動が好きではない方も、ごぼう先生への興味が体操への興味に。「その変化は、めちゃくちゃうれしかった」そうです。
気持ちの代弁が安心感や共感になる
新しい動きや体操は、「まだまだ作れると思っています」とごぼう先生。それを施設の職員のみなさんに伝える手段の一つが『レクリエ』です。
「動きや体操を紹介できる機会を与えていただいているので、できるだけ続けていきたいと思っています。毎回同じ流れで体操をしていると、利用者さんも職員さんも飽きるんですよね。職員さんにとっては、飽きないようにと考えることも負担になると思います。そこを補えるものを、僕のアイディアを総動員して作りたいですね」
では、『レクリエ』をもとに、現場で体操を教えるコツはあるのか聞いてみると、「難しい体操をやるときは難しいと言ったほうがいいんです。利用者の方の心の声を教えるほうが先に出すことがポイント」だとごぼう先生。
「“これ、難しいよね”とか“痛い方は無理しないで”とか、利用者さんの気持ちを代弁してみてください。そうすると、“わかってくれてるな”って安心感や共感にもなって、うまくできなくてもやれなくてもいいんだって思ってもらえることにもつながるんじゃないかなと。あとは、スタッフのみなさんもぜひ一緒に体を動かしてみてほしいですね」
簗瀬 寛(やなせ・ひろし)
株式会社GOBOU代表。本名 簗瀬寛(やなせ ひろし)。介護の「GO」、予防の「BOU」で、ごぼう先生と名乗り、介護予防を笑顔で伝える大人のための体操のお兄さん。医療業界に勤めていた経験と、自身の祖母が認知症になった経験を活かし、高齢者の介護予防につながる健康体操の普及・指導を全国各地で行っている。DVD『R70 ごぼう先生の健康体操』シリーズ(株式会社GOBOU)、DVD『毎日10分健康イス体操』(キングレコード)などが好評発売中。
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撮影/伏見早織(本社写真部) 文/西川敦子