インタビュー
介護予防体操で人気の“ごぼう先生”っていったいどんな人?
介護現場のアイドル“カイドル”、ごぼう先生こと簗瀬 寛(やなせ・ひろし)さん。『レクリエ』で、「だれでもいつでもきもちよく」できる介護予防体操「大吉体操」を連載中です。介護業界で注目を集めるごぼう先生ですが、いったいどんな人なのでしょうか。今回は、ごぼう先生の“人となり”に迫ります。
正しさよりも楽しさが大切だと実感
鍼灸接骨院勤務を経て訪問鍼灸師として独立するとともに、デイサービスで健康体操のボランティアを始めたごぼう先生。ボクシングやサッカーをしていたこともあって、「自分ができることは何かを考えたら体操になりました」。そんなごぼう先生、「とりあえずやってみようから入る性格」だとか。そうして体操にも取り組んでみたところ、「ものすごく難しかったんですよね。介護施設でみなさん一緒に体を動かすということが」。ここから試行錯誤が始まります。
「いい体操はないかなと探したんですが、なかったんです。その、“ない”が逆にチャンスだな、と。イスに座って行う体操の少なさだったり、あっても面白くなかったり。自分で考えたほうがいいなというところで介護予防体操ができていきました。でも、やっぱりスムーズにいかない。正しいやり方をやろうとしていたからなんですよね。それはみなさんが求めていることではないと感じて、正しさよりも楽しいことがとても大切なんだと思うようになりました」
みんなが楽しく、を突き詰めていきたい
いかにみなさんを笑わせるか、いかに楽しいと思ってもらえるかがポイントだというごぼう先生。DVD『R70ごぼう先生の健康体操』シリーズが発売されたことで、より楽しさを感じてもらえるようになったといいます。それは、「テレビに映る人になった」からだそうで、「会う喜びが加わったんですよね。テレビで見た人が目の前に来た、っていう。“見たことがある”が、距離を一気に縮めて、楽しい雰囲気がより作れるようになりました。職員の方にもワクワクしてもらえるのも、僕としてはうれしい反応でした」。
「高齢者の笑顔を作ることが僕の一つの目標」とごぼう先生。現在は「体操で笑顔が作れているという実感があるんですよね」。だから、これからも続けていく。続けていく上で、「言葉一つ、体操のやり方一つで、傷ついて来なきゃよかったと思ってしまう人が出かねないんですよね。“みんなが楽しく”というのはすごく難しいと今でも思っているので、もっともっと突き詰めていきたいですし、健康に対する意識が少しでも高くなるものづくりをしていきたいと思っています」。
簗瀬 寛(やなせ・ひろし)
株式会社GOBOU代表。本名 簗瀬寛(やなせ ひろし)。介護の「GO」、予防の「BOU」で、ごぼう先生と名乗り、介護予防を笑顔で伝える大人のための体操のお兄さん。医療業界に勤めていた経験と、自身の祖母が認知症になった経験を活かし、高齢者の介護予防につながる健康体操の普及・指導を全国各地で行っている。DVD『R70 ごぼう先生の健康体操』シリーズ(株式会社GOBOU)、DVD『毎日10分健康イス体操』(キングレコード)などが好評発売中。
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撮影/伏見早織(本社写真部) 文/西川敦子