「バリデーション」を生かそう! 「バリデーション」でBPSDが軽減

2017年10月05日

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介護の現場では、認知症の人の帰宅願望、徘徊、暴言・暴力などのBPSD(行動・心理症状)をどうしたらなくせるかと考えがちです。しかし、大切なのは即効性のある解決策ではなく、「なぜ、BPSDが現れるか」ということです。

認知症の人は、認知レベルは低下しても、喜怒哀楽の感情レベルは最期まで失われないといわれています。ですから、認知症であることの不安や、過去のつらい出来事などを抱えたまま生きているのです。ところが、周囲の人の「認知症の人は何もわからない」「全て忘れている」などの思い込みや、本人の自制心により、思いを吐き出せずにいます。その苦しい思いがBPSDという形で現れているのではないでしょうか。

バリデーションは、認知症の人が最期まで失わない感情レベルにアプローチして、共感することでコミュニケーションを図る手法です。

認知症の人のマイナスの感情(悲しみ、苦しみ、怒り、不安など)を表に吐き出させ、人生の未解決の課題(成し得なかったこと、大切な人の死の受け入れ、災害など)への奮闘を認め、「つらかったね」などと感情に寄り添い、共感するのです。

バリデーションによって、認知症の人は自分の思いをわかってくれた、思いが満たされたと感じることができます。個人差はありますが、それまでのBPSDが軽減したり、施設に入所してからひと言も言葉を発しなかった人が話し出したりするケースもあります。

忙しい介護の現場では、認知症の人と一対一で向き合う時間をとるのは容易ではないでしょう。しかし、バリデーションにかかる時間は初めてでも15分ほど。後は定期的に(例えば週1回)でかまいません。バリデーションを通して認知症の人に寄り添い、最期まで穏やかに過ごしてもらえるようなケアを目指しましょう。
監修/都村尚子(つむら なおこ)
関西福祉科学大学社会福祉学部教授。「公認日本バリデーション協会」のバリデーション・ティーチャーとして講習を行うなど、介護現場でのバリデーションの普及に力を入れている。著書に『バリデーションへの誘い』(全国コミュニティライフサポートセンター)がある。

イラスト/かまたいくよ
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レクリエ 2017 11・12月号52ページに掲載

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