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介助・ケア

介護の現場Q&A

利用者から人気のあるスタッフに仕事が集中し、困っています

利用者から人気のあるスタッフに仕事が集中し、困っています

【Q】利用者から人気のあるスタッフに仕事が集中し、スタッフ間に不協和音が生じて困っています
利用者に人気があるスタッフにお世話などの依頼が多く、仕事が集中してしまいます。そのスタッフ自身も大変なうえ、スタッフ間では「なぜあの人だけ?」という声もあって不協和音が……。よい解決法はありますか。

【A】集中してしまう理由について考えてみましょう
人には好き嫌いの感情があって当然で、利用者が好きなスタッフに何かと頼みたくなるのは自然なこと。しかし、それによってスタッフ間の仕事量がアンバランスになるのは困ります。以下の視点から考えてみましょう。

言われるままに引き受けず、必要な仕事かを見極めるまず本人が「なぜ自分だけいろいろ頼まれるのか」と困っている場合ですが、〝逆指名〞されるのはうれしい半面、1人の介護職員のキャパシティには限界があります。また、親切心から頼まれたことをすべて引き受けていると、業務以外のことまで頼む利用者も出てくるので、できないことは「できない」としっかり伝えるべきです。

こんなことがありました。ある日、リーダーが困った表情で相談にきました。研修委員会の委員であるAさんについて、別の職員から「Aさんはなぜ委員会に出ないのか」と言われたというのです。Aさんはいつも入浴介助を理由に欠席するとのこと。

Aさんに直接聞いてみると、ある利用者から「あなたのシャンプーのやり方が一番好き、いつもお願いね」と言われ、「私の技術を認めてくれた」という思いもあり、入浴介助の依頼を断れなくなってしまったというのです。Aさん自身は委員会に出たいと思っているのですが、次第に頼まれる回数が増え、委員会に出る時間がとれなくなってしまったとのこと。実は、最近はそれが負担になってきたというのです。

Aさんは利用者の要望に応えようとするあまり、本来優先すべき研修委員会という大事な業務をおろそかにしてしまっていたのです。大切なのは「本当に自分が今やるべきことなのか」を冷静に見極め、そうでないならはっきりと断る勇気を持つことです。

高橋好美
特別養護老人ホーム・レジデンシャル常盤台施設長。看護師、ソーシャルワーカーを経験後、社会福祉士、介護支援専門員の資格を取得。大田区立特別養護老人ホームたまがわ特養第一課課長を経て現職。
文/松崎千佐登 イラスト/田上千晶
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レクリエ 2016 1・2月号

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75ページに掲載

おもなレク
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